2024.9.23週.【FX市場動向】FOMCにて0.50の利下げもドル安反発。日銀会合も終わり今後のドルと円の動向は?

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こちらの記事ではファンダメンタルズに特化して、毎週末にこれまでの簡単な流れとそれによる見通しなどを書いていきたいと思います。なるべくFXに関連するものだけに絞って、そして簡潔に書いていきたいと思いますので気軽に読んで頂ければと思います。

それでは٩(.^ⅴ^.)و Let’s go!

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ファンダメンタルズ・市場動向・通貨強弱

今週は大きく円が売られた週となりました。円高の地合いが長くあまり反発もせず円が買われていた期間が長かったためか大きく巻き戻した形です。ドルもドル安地合いは変わらないですが、一時期よりかはドル高に反発しています。

ポンドや豪ドルは買われており、ユーロはそこそこの地合いとなりました。

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米国市場

FOMC

市場が最も注目していたFOMCが通過しました。

結果は0.50の利下げでしたね。FRBは各国利下げする中まだ利下げをしておらず、まだかまだかと待たれていましたがついに利下げサイクルに入った形です。

これにより、他国も利下げしやすい環境にはなったかと思います。しかも米国は0.25ではなく0.50という他主要国に追い付く形でジャンプアップして利下げをしました。

米国単独で見ても、8月の株暴落時から言われていましたが、0.50へ本当に根拠があったかは不明ですが、FRBからすると大きく利下げへ前進するだけの経済の鈍化、インフレ鈍化、失業率の悪化を確認したということよりも、今までの金利が高すぎる状態にあるということかと思います。FRBが注目していた雇用面が下がってきた(失業率の悪化)のをみてリスクマネージメントの意味合いで0.50の利下げとなった印象です。

市場動向を見る時にこれまで住宅ローンなどは大きく影響を受けていましたしね。それに限らずですがこの利下げにより借りる側(企業なども含め)としてはローン金利が下がっていくことなどは期待されているかもしれません。

どちらにしても今回米国が利下げしたことにより、欧州、カナダ、豪などの主要国家だけでなく、新興国への影響も大きく世界への影響はかなり大きいものになると思います。

米国の0.50の利下げにも関わらず、金利は底堅く推移しそして上昇しました。思ったほどドル安に向かわなかったのもポイントにあたると思います。それまでの市場は0.50十分に織り込んでいましたし、ある程度の利下げに対する免疫は出来ていたように思います。織り込みがしっかりと解消されてその巻き戻しと考える方が良さそうです。パウエル議長がFOMC後の会見にて「0.50の利下げが通常であると思わないでほしい」ともコメントし少しけん制を見せたのもドル安へ傾き過ぎなかった要因と捉えています。

これまでと同じように「データ次第で利下げを進めたり、緩めたりする」としていることから今後の経済動向も十分加味されるものであることを強調していました。

金利をみてみると順イールドが注目されていたと思いますが、FOMCを終えてもその形は変わらず。短期金利はそれほど上昇を見せていませんが長期金利は上昇して、順イールドに沿った形で推移しているとも言えると思います。

材料的にはそれほど金利が上昇する材料が今の所ないので上値は限定的かと思いますが、このFOMCでみせた「ソフトランディング」への道筋が今後どうなるかが焦点になりそう。ただここから金利が大きく下がる材料も乏しいことからドルは強くもなく弱くもない状況になるのではないかと思われます。

経済を見ると、インフレや雇用は鈍化しているものの、あくまでデフレではなく「ディスインフレ」と表現されているのもそのためかと思われます。インフレの再燃は今の所考えられておらず、ソフトランディングを米国は目指しているものかと思われます。経済を壊さずこのまま金利を低下させていく、それが狙いのように思います。FOMCでもインフレは問題ないが雇用面の下振れリスクについて述べられていました。そして経済は堅調、大幅な利下げ要因はないとし、結果としてハードランディングの道中ではないことを示唆していたようにも思いました。

気になるのは中立金利の今後の見通しですね。FRBからすると思ったより下がらない、下げられない展開になりそうということです。2.9%を見ているとしていましたが、つまり元の水準に戻すことは難しいのではないかという点が今後のポイントになりそう。

FF金利については現在年内あと0.50の利下げの織り込みが進んでいます。残りのFOMCの中、1回で0.50の利下げをするのか、0.25、0.25と利下げをするのか。仮に本当に年内0.50の利下げをするとするなら、今年は秋に大統領選挙があることからそれが終わってから一気に0.50の利下げという形になりそうですが、どうなるか。あと、来年度の見通しもドットチャートをみると1.00%の利下げが示されており、それらも今後のデータ次第でどのような動きをするのかには注意が必要かと思います。

今週の経済指標

まずはニューヨーク連銀指数。大きく上振れしており(予想-4.0→結果11.5)ポジティブな結果を示しました。そして次に米小売り。自動車を除く数値では予想を下振れしたものの全体の小売り結果はプラスとなりました。エネルギーの鈍化が価格に影響しているものとして、結果としては市場の予想を大きく越えてはいないという認識でした。

あと住宅関連(ローン含む)、新規失業保険申請件数や継続受給なども減少しておりそちらもポジティブな結果だったように思います。それにより売られていたドルのドル買い地合いを強くしたように思います。フィラデルフィア連銀製造業景気指数もポジティブな結果を残しており、FOMCにて0.50で強い利下げが起こったことを考えるとそこまでのドル安には振れなかったなというのが印象です。

インフレ指標(主にISM関連)を占う連銀指標ですが、今週はプラスへ大きく動いたことにより、今後のインフレ指標にもポジティブな影響を与えそう。

来週の市場動向

来週は米PMI、GDP、PCEの発表がありますね。政策金利FOMCを通過しており落ち着きを見せる週になるかと思いますが、インフレ動向はしっかり見ておきたい。今後は利下げ幅についての議論になるかと思います。年内に示唆された通り0.50の利下げが本当にあるのかという所がポイントになりそうです。

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欧州市場

BOE(英国)は金利を据え置きました。英国経済指標もそれほど悪くない状況下で今回の利下げは行われず、段階的な利下げ(都度データ次第)を行う形でしょうか。前回のFOMCでは拮抗した政策金利会合でしたが今回は据え置き多数で決定したようです。やはりBOEもインフレを懸念しているように思います。あと英国内で今年はスナク首相が辞任して新しい首相が就いたばかりということもありそうですね。

ただ米国が利下げしたことによりこちらも次回からの利下げはしやすくなったのではないでしょうか。英国は年内にあと1回利下げを予想されていますが今後の市場動向を見ていきたい。

この政策金利発表の他、英小売りやドイツ生産者物価指数などポジティブな指標もありポンドを中心に欧州通貨は買われたように思います。

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日本市場

日本も日銀金融政策決定会合を通過しました。結果は据え置き。

前回の利上げから日銀が利上げサイクルに入ったのではという憶測から大きく日経が売られ円が買われた形(市場では円キャリーが起こったとされている)でしたが、その後もずっとその利上げへの期待から大きく円が買われ対円は続落していた状況でした。

今回の金融政策決定会合では据え置きは織り込み済みでしたが、今後の見通しにて植田総裁がこれまでのコメントとは逆にハト寄りのコメントを残して巻き戻し、円が売られた形となりました。さらに「来年の春闘に向けた動きを注意深く見ていきたい」というコメントから利上げはまだ先かという憶測が市場に流れ、さらに大きく円が売られた形となりました。

もちろん植田総裁は今後の見通しについてはっきりと言及したわけではなく、「その可能性がある」とし、「ある程度まとまった情報が得られたと判断した段階で利上げとならざるを得ない」と述べているように、利上げに対してもデータ次第で利上げを行うとしていることから利上げが春闘まで排除されたわけではないですが、市場は利上げへの織り込みを一時的に解消したように見えました。

植田総裁は中立金利との幅がまだあるとしていることから、利上げには積極的だと個人的には受け取りました。ただ今後の利上げに対してそのペースやスケジュールなどはないとし、今年のこれまでの利上げの影響を踏まえつつ、徐々に中立金利への認識を深めていく段階ととどめています。その判断をするのに日本としては時間的余裕があるとのことから「利上げのタイミングはまだ」と市場に判断されたものと思われます。

ただ忘れてはいけないのは、植田総裁は今回ハト寄りのコメントに終始した形ですが、何度も言いますが「利上げの準備はある」ということです。利上げサイクルに入っていることは確かですし、その確証が得られればすぐにでも利上げをする準備があるとも取れます。時期について明言をしなかっただけだということです。したがってこれにより今までのように偏った円安にはならないように思います。「日本の金融環境は緩和した状態にある」としながらも日銀の今後の見通しは利上げを見据えているということは覚えておきたい。

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来週のドル円

ドル円 4時間足チャート。

今週の週明けは強い円高の地合いに引っ張られ引き続き円高ドル安に傾いて一時139.6付近まで下落しました。かなり下押しが強い形となっていましたね。

ただ140を意外とすんなり抜いた形となり、その後反発。反発後の動きに注目が集まっていたかと思いますが米指標(FOMCなど)によるドル高により戻しを見せました。日銀の政策金利発表で円の巻き戻し(円安)が起こって144円を超える動きを見せました。

来週はまだ円安の影響がありそう。ただそこまで極端な円安というよりも、今までの円高が円安気味に動きそうという形になりそうだとみています。ドルも米金利をみてもこれ以上下げるには材料が必要になりそうですし、その材料も利下げについては織り込み済みですので新しい材料に乏しそう。つまりそこまでドル高にもドル安にも動きにくそうだとみています。

ドル円はそういったことから上方向へ向いていくのが自然だという見方ですが、そこまで極端な動きではなく底堅く推移しそうというイメージで見ています。今までの日米金利差がどんどん縮まるという見方ではなく、そのスピードは緩やかという見方に市場も変わって来ていくのではないでしょうか。

来週のドル円の予想レンジは141.0~147.5で見ています。

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