2024.10.14週.【FX為替市場動向】米金利利下げの織り込みは剥がされ金利上昇ドル高の展開へ。今後の展望は?

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こちらの記事ではファンダメンタルズに特化して、毎週末にこれまでの簡単な流れとそれによる見通しなどを書いていきたいと思います。なるべくFXに関連するものだけに絞って、そして簡潔に書いていきたいと思いますので気軽に読んで頂ければと思います。

それでは٩(.^ⅴ^.)و Let’s go!

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転換の時代を生き抜く 投資の教科書

ファンダメンタルズ・市場動向・通貨強弱

通貨強弱

今週は週初めから円が強い展開となりました。週を通してみるとそれほど買われていなかったようにも感じましたが、確かに対円は上昇するも上値が重かったように思います。トレードで感じる強弱と実際の強弱が違う時がありますが今週はそれだったように思います。

他通貨それぞれもそれほど売り込まれてはいない感触でしたが、やはり対ドルで大きく下げていたのでドルの強さは感じました。先日の雇用統計で完全に転換した感じがしますね。

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米国市場

今週はドル高気味に動いた週とは言え、為替をみるとボラティリティに乏しい週となりました。

そのドル高の要因の一つとして先週の雇用統計の結果が挙げられるものと思います。市場が思っていたいたよりもずっと強い数字が出ており、金利の上昇、そしてドル高を引き起こす要因となっていました。

さらに、もうすでに市場が興味のないインフレについても要因があったと考えます。今週のCPI消費者物価指数が上昇を見せていたことで(若干ですが)、市場が「インフレも再燃するのか?」と迷ったものと思われます。(実際には長期的にみればしっかり鈍化傾向)。

もともと米経済は底堅く、それほどそれらを疑問には思っていないと当ブログでも説明してきたと思いますが、市場は8月の雇用統計にて大きく揺らぎ、「本当はリセッションするのか?」「景気は相当悪い方へ向かっているのか?」という心理になり、またFOMCにてFRBの0.50%利下げによりそれを確信したかのような金利の低下、ドル売りを引き起こしていました。いわゆる織り込み過ぎていた状況だったと言えます。

それが雇用統計は上振れし、今週のインフレ指標CPIも上振れする結果をみて、織り込みが剥がされていくという状況になっているものと思われます。

ただパウエル議長は春先からずっとコメントしているように(こちらはインフレについてのコメントでしたが)、米経済全てにおいて「でこぼこ道」を辿っているだけだとすれば、それはそうなのかもしれない。インフレも徐々に抑えられているのは事実ですし、雇用統計も次をみたいですが、長期的にみれば鈍化傾向にあると言えると思います。ただ市場が期待をし過ぎているだけの結果が表れているものと思います。

インフレについても、雇用についても、最後の一押しである「ラストワンマイル」は近いようで遠いことを表しているのではないでしょうか。

完全に思った通りの着地が出来るとは限りませんし、その時どういう状況かというのは予測するのも困難な中、目標を決めながら進めるというのはやはり難しいものと思われます。おそらく中立金利に関しても変動してくるだろうし、失業率や雇用関連の数値も思ったように行かないかもしれない。それらを加味しながら見ていくことが大事かなと感じます。

さて先週の雇用統計で強かった雇用指標ですが、今週の新規失業保険申請件数は大幅に上昇していました。継続受給者数も上昇しており、こちらはドル高を落ち着かせた要因となりました。先週はハリケーンなどの影響を受けたものと思われます。

先ほども書いた通り、確実に米経済も鈍化傾向にあることは間違いないですが、市場が織り込むほど悪いわけでもないというのが現状だと思います。個人的にはこの状況は「上手く行っている」という印象を受けます。これからは極端な利下げというのは想像していませんが、この「上手く行っている」状況を見ながら利下げしていくものと思われます。一気にドル売り展開になるというよりもこちらも徐々に下がっていき、それほど売られないもの(弱くはならない状況)となるのではないでしょうか。

利下げの織り込みに関して言えば、変わらず年内にあと0.50、来年度は1.0%の利下げを織り込んでいます。それほど無茶苦茶な利下げ度合いではないことからこれをベースとして市場は進んでいくものと思われます。先週のブログでも書いていた通り、「揺れながら」徐々に落ち着いていくものだろうなと思います。

ちなみに米銀行の示す今後の米国市場は「ノーランディング」を予想しているようです。

消費や企業活動の一部の指標の減速は、将来の経済状況を示すものではなく、むしろパンデミック後の特殊な背景によるものだと考えられているとし、実際消費者の支出は安定しており、強い労働市場と「ノーランディング」シナリオに一致しているとしています。

また貸付に関してもこの利下げが消費者へ有利に働き、主に低所得者層にはかなりの手助けになるとしています。そしてそれは企業にとっても同じことが言え、この状況下でのデフォルト、つまり貸し倒れは3.4%ほどしかなく、予想よりも低くおさまっており、ここから利下げに入って金利が低下することで融資の拡大にもチャンスがあるとしています。

確かにこれまで米経済は消費者支出の強さによって支えられているのは周知の通りですし、雇用指標を見る限り堅調であることも言えます。AIバブルとも言われる現在の米株の強さにも経済の強さは表れていると思います。スタートアップ企業の躍進などで大きく業績を伸ばしているのも要因に挙げられると思います。さらに米国はシェールオイル革命によりエネルギー自給率が更に向上している、そして米国は世界一の産油国であることも経済をさらに後押ししています。

よって米経済はソフトランディングさえもない、ノーランディングで進んでいき更なる成長をするだろうと予想しているようです。確かにその通りだと思いますし、そうなる可能性もあるので頭に入れておきたいですね。

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来週注目指標

来週は小売売上高の指標があります。こちらも重要度は徐々に下がってきている感じがしますがインフレ指標として見ておきたい。あとは今回強く出た新規失業保険申請件数の発表ですね。ハリケーンなどの影響を受けやすいためまだ引き続き高い数値が出る予想ですがどうなるでしょうか。今週の25万人のような数値が出るのであれば2週続けてとなってドル売り展開になりそう。

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欧州市場

ECBの利下げの織り込みが進んでいます。景気は鈍化(悪化)傾向を強めている中、おそらく政策金利を来年3月の会合まで毎回0.25ずつ利下げをすることになりそうだと市場はみています。そしてさらに来年度は6月や12月にも利下げを見込まれており、現在の織り込みよりもさらに進むものと思われます。

米国が遅れながら利下げサイクルに入ってくれたこともあり、利下げへの環境は良くなったと思いますが、やはりそれを上回るペースでの利下げが見込まれています。先日のインフレ率の低下により更なる緩和策を施すものとみられており、金利の引き下げの織り込みが進んでいるものと思われます。これによるユーロ売りは避けられそうになさそう。あまり買う環境下にはなりにくそうです。

来週は欧州圏CPI消費者物価指数などインフレ指標が発表されます。それとECB政策金利発表がありますね。上記通り、今回は0.25の利下げを予想されています。市場の注目はラガルド総裁のコメントでしょう。利下げを見据えているのかどうか。おそらく「データ次第」とのコメントに終始するかと思いますが、どういった発言をするのかに注目が集まりそうです。

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来週のドル円

ドル円 4時間足チャート。

※ちょっとこの証券会社のチャートは髭が付いていますけど今回は無視したいと思います。

一応現在は149.4のラインで止められている状況です。先週までは下値も硬く上値も重くという形でした。狭いレンジを動いていたように思います。

米長期金利は短期金利に引っ張られるように上昇しドル高へ向かいドル円も上昇。ただ円もそれほど弱くなかったことから149.4を抜けなかったものと思います。時間をかけてこの場所にとどまるのなら少し押しを付けそう。

ずっとブログで書いている通り、このドルの織り込みを剥がす動きから金利上昇、ドルの上昇がどれほどなのかまだ分からない所。極端な動きというよりもじわじわと動きそうです。それほど材料もないことから来週は材料探しの中、ベースはまだドル高で進みそう。

やはり米経済の盤石ぶりをみるとそれほど今後の経済指標で極端な悪化した数字は見えそうにない。そうなると利下げでドル安ベースだとしても為替はペアでみることであることから、円高要因が少ない現状、下値は堅いのではないでしょうか。底堅く推移しそうだと見ています。

最近は東京時間に円高に振れることがあるのでその辺は注意して臨みたいですね。

来週のドル円の予想レンジは145.0~152.0で見ています。現在値は十分高い位置におり、このままスルスルと際限なく上がるイメージではいないですが、やはり円次第といえるかと思います。近々の利上げはしないことを明言していますが、今後どれだけ利上げサイクルについてにおわせられるのかがポイントになりそう。

ファンダメンタルズ目線での市場動向把握はこちらで書いていますが、テクニカル(サイクル理論)考察は別途noteにて記事を載せております(サイクロン同好会)。下記よりリンクがありますので興味のある方はぜひ読んでもらえればと思います(*’ω’*)

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